2020年07月03日
最近は、映画も本もノンフィクションにこだわっています。
先日ご紹介した映画チア・ダンも実際にあった話を題材にした
映画です(ただ、脚色してあるので純粋なノンフィクション作品
とは言えないようです)。
今回ご紹介するのはノンフィクション作家の門田隆将さんの
「蒼海に消ゆ」という作品です。日系2世としてアメリカで生ま
れ育った若者が、第二次世界大戦において特攻隊員としてアメリ
カの戦艦に突入し戦士した・・・その若者、松藤大治を描いてい
います。
彼は中学校から親戚の住む日本において教育を受け、二つの祖
国の狭間で成長しつつ、戦争に巻き込まれていきます。しかし、
彼は招集されても、特攻隊員に指名されても迷うことなく、
「日本とその国民を守るため」の一心でアメリカの戦艦に向かっ
て突入して散ったのです。
生き残った当時の戦友の話では「誰も皆そう思っていた、だか
ら死ぬのが怖いと思ったことはなかった」とのことでした。それ
を聞くと、その時代に生きた人々(私の両親も含む)の心中を察
することができます。
私の父も少年飛行兵として土浦の予科練に通っていたので、戦
争が長引けば、特攻隊員になる可能性があったそうです。
この本のようにノンフィクションの作品は、それが実際に起き
たことだけに、やはり重みを感じます。しばらくはそうした作品
に触れていきたいと思います。